CAD & Mac
この文は、1997年暮に、五十嵐進氏の著書「これから始めるCAD応用編」のアトリエを訪ねて(ユーザー事例紹介)の章に寄せたものです。
(註:最後に最近2005年の事情を書き加えました)
MiniCad&Mac歴
- 1990年よりMac導入の機会をうかがうも、仕事の都合とプリンタ等の問題で踏み切れず。五十嵐、古山両氏の「MiniCadしんぶん」や「MAD Press」ほかMAC雑誌等で情報収集する。
- 1993年、試験的にLC520とMiniCad+4.0を導入し、仕事に使えることを確認。3D描画速度を上げるためQuadra840AVを入れる。
- 1995年、MiniCad5により、3Dシンボル集「SimpleMan」の開発に着手。6月にエーアンドエー社の蚤の市商品として登録。
- 1996年、インターネットホームページ開設。『http://www.japan-net.or.jp/~wats/』 CAD関連情報及び住宅作品などを掲載。「Simple Man」English versionを作成。PowerMac8500/180を入れる。
- 1997年、MiniCad6により、「SimpleMan」version1.5 Mac版およびWindows版を作成。
MiniCadの使用目的、用途
- 計画、基本設計は、最近では100分の1の平面図の後、直ちに3Dモデルを作成して全体を検討している。立面図や断面図を描くよりずっと簡単※で、必要な視角で自由に何枚でも取り出せるので、施主への説明にも有効である。(※ただし、3Dのデータをシンボルとして作成してある場合)
- 私にとっての3Dは、空間デザインのエスキースに必要充分な機能があればよい。つまり、一枚の完成予想図を作るためではなく、いろんな角度から検討するために3Dを使うわけだから、簡単に速く出来ることが重要である。その意味ではMiniCadの3D機能はかなり使いやすくなったし、普段はシェイド画像程度で充分活用できる。また、影をつけたり質感をマッピングしてリアルな3D-CGを作成する場合は、StrataVision3dに取り出して加工するのが扱いやすい。(EX-RENDERは、まだよく試していない)
- 実施設計ではCADとフリーハンドを併用している。プリンターの都合もあって図面サイズをA3にしたのだが、A3サイズだとフリーハンドでもなんとかまとめられる。もともと詳細スケッチをした後、矩計や平詳を仕上げていたが、そのフリーハンドの詳細スケッチをそのまま最終図面として使うことができる。私の場合、CAD導入のねらいのひとつはこのフリーハンドとの併用にあった。
仕様書や仕上表、建具表や設備図などCADの得意分野からCAD化をすすめ、最近ではほとんどの図面をCADで描くこともあるが、10分の1程度の枠廻りや詳細スケッチなどはフリーハンドで描く。時には伏図や展開、立面などもフリーハンドという場合もある。
註:以上が1997年の文の引用ですが、現在(2005年)ではいくぶん様子が変わって来ています。
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計画では、まず敷地と周辺建物の3Dモデルを作成して日照などの影響を初めに検討します。その後、平面を考えると同時に建物の3Dモデルを作成します。
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最近ではエスキース用だけでなく、計画時に作成したものを実施設計時に修正して設計図書に加えるようにしています。
そうすることで、施工者にも建物のイメージをより理解してもらうことができるからです。
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VectorWorks になってから、すべてRenderWorksでレンダリングしています。いまでは他のレンダリングソフトに持っていくことはありません。(3D-CG のページに作例があります)
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また、実施設計図書もかなりCAD化がすすんで、フリーハンドの図を付けることは少なくなりました。
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